信託

信託を利用した相続対策

皆様は万が一のことがあったときのご自宅の相続について、何か対策をしていらっしゃいますか。何もしていないという方はもちろん、自分はまだ大丈夫だという方も是非続きをお読みください。より良い対策をご紹介いたします。

1 自宅を相続したらどうすればいいの・・・?

ご自宅が相続された場合に遺されたご家族は、どのように分けるかという話し合い(遺産分割協議)をすることになります

たとえば、現金や預金、上場株式ならば、それぞれの相続分に従って分けるのは簡単です。

それでは、ご家族がお住まいのご自宅の土地と建物はどうでしょうか。まさか切って分けるわけにはいきませんよね。

このような場合、法律上可能な方法としては3つあります。

1つめは、「換価分割」です。これは、不動産を売却してその代金を分けるという方法です。

2つめは、「代償分割」です。これは、その不動産を相続する人が他の相続人に現金を渡すという方法です。

3つめが、売却も分割もしないで相続人全員の「共有」にするというものです。

2 ご自宅の相続はリスクがいっぱい!!

しかし、上に挙げたいずれの方法も遺されるご家族にトラブルをもたらしかねないリスクがあります。

「換価分割」と「代償分割」は、ご自宅の価値がいくらかを明らかにしなければなりません。不動産の評価方法には、4種類(「実勢価格」「公示価格」「相続税評価額」「固定資産税評価額」)があり、いずれの方法をとるかで金額が変わってしまうのです。これでは、ご家族の間で、自分にとって有利な評価方法をお互いに主張して譲らないという争いが起きることになりかねません。

それなら分けずに「共有」でいいじゃないか、うちの家族はみんな仲良くやっているから大丈夫だと思った方、お待ちください。それではご家族の仲を引き裂いてしまうかもしれません。

「共有」という方法は、トラブルの発生を先延ばしにするにすぎません。お子さんが亡くなって、そのお子さん(皆様から見てお孫さん)が共有者になったときはいかがでしょうか。お孫さんからも共有のままで構わないとおっしゃってもらえる自信がありますか。共有は法律上いつでも解消することができます(共有物分割請求)。そのため、どなたかが共有の解消を望むだけで、ご家族の間にご自宅を巡るトラブルが発生してしまうのです。

3 そのお悩み、信託で解決できます!

そんなに言うならどうすればよいの?と思った方、いい方法があります。

そのいい方法とは、信託です。

信託は、ある財産の所有者(委託者)が、その所有権を信頼できる他人(受託者)に移した上で、委託者が定めた目的に従って受託者がその管理や処分を行い、それによって得た利益を指定された第三者(受益者)に与えるというものです。

この信託を皆様がお元気なうちに設定しておくことで、先ほどのトラブルの発生を防ぐことができます。

他人に所有権を移してしまうとご自宅についての権利を失うことになるのかというと、そうではありません。

ご自宅を利用できる権利を現在お住まいの配偶者の方に持たせるなど、利用権について皆様が自由に決めることができます。

また、信託が終了した際、ご自宅の土地と建物の所有権を誰に移すかについても皆様が自由に決めることができます。

このように、信託はご家族を争いに巻き込むリスクを回避・低減するのに最適です。

皆様、信託を利用しての相続対策を一度ご検討してみてはいかがでしょうか。

信託は、それぞれのご家庭の事情に応じてご希望に添った内容の設定ができます。具体的なご相談がありましたら、当事務所にお気軽にお問い合わせをいただきたいと思います。

 

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